1. 解決までのステップ
労働者にとって会社とのトラブルは、大変な非常事態ですが、会社にとっても従業員とのトラブルは、会社全体の士気を低下させ、ひいては会社の業績にも影響を与えかねない重大な問題です。
このため、トラブルの早い段階で弁護士に相談し、スピード感をもって解決にあたることが重要です。相談を受けた弁護士は、1 問題の所在を早急に突き止め、紛争に備えた証拠集めについて助言した上で、
2 少しでも有利な条件での解決に向けて適切な手続(示談交渉、労働審判、訴訟等)の選択を行い、
3 代理人として紛争の解決に向けた手続を実行します。
2. 分析と証拠収集
相手方に動きを察知されないうちに、先手を取って証拠収集に着手することが、有利な結果を導くために重要な第一歩です。 スピード解決には、「先手必勝」が重要です。
弁護士への電話や電子メールによる初回相談は無料です。早めの準備による早めの解決を心がけてください。
3. 手続の選択
ア 代理人弁護士による示談交渉
イ 裁判所での労働審判
ウ 裁判所での民事訴訟
などの方法がありますが、スピード解決を図るには、特にイの労働審判が有効です。
労働審判は、代理人弁護士が申立書を裁判所に提出し、1か月から1か月半後に裁判所に呼び出され、その場で最終決着が図られることも珍しくありません。
裁判所の「審判」に異議を唱えて民事訴訟に持ち込むことは、先の見えない長期の紛争に飛び込むことになるからです。 有利な証拠収集に成功すれば、アの示談交渉で解決に持ち込むことも可能ですし、徹底的に争って完全決着を図るのであれば初めからウの民事訴訟を選択することも考えられます。
4. 手続の実行
示談交渉では、代理人弁護士が内容証明郵便等を通じて法律上の意見を相手方に伝え、必要に応じて相手方又は相手方代理人との交渉も行います。
相手方が示談交渉に応じない場合、労働審判や民事訴訟などの手続を申し立てます。これらは裁判所の手続ですので、相手方は応じざるを得ません。
労働審判なら申立後、裁判所での期日が3回行われると「審判」、民事訴訟ならおよそ1年程度で「判決」が見込まれますが、多くの場合、労働審判では調停が成立し、確定判決と同一の効力が得られるため、短期間で民事訴訟と同程度の強制力を持った解決が可能となります。